猫俳句大賞

7月4日週の猫俳句

蜜柑から
猫へとかわる
箱の主

住吉和歌子

解 説


第六回猫俳句大賞 佳作句より。

猫は箱が好き、ですよね。
長く猫と暮らす友人が "あるある話”として「絶対に好きだろうと思って通販でおもちゃを買ったのに、猫は全く興味を示さなくて、通販の箱を気に入ってずっと中に入ってる」と教えてくれたことがあります。

掲句も、猫と暮らす人にとって本当によくわかる景なのでしょう。
ダンボール箱にみっしり詰まった蜜柑を食べていき、蜜柑が無くなって箱を片付けようと思っていたのに、箱はすっかり猫の居場所になっていた。
蜜柑を食べきった、猫が箱を占領していた、どちらもいつの間に?という時間変化と、「箱の主」の表現がユニークな一句です。

季語は「蜜柑」で冬。
こちらの句を佳作に選ばれた及川眠子さんのコメントはこちらからご覧いただけます。

7月4日週の猫写真

写真提供:神奈川県 さちよさん